起振力は、偏心重錘を回転させたときに発生する遠心力の垂直方向の大きさを表し、バイブロの上下振動を継続させる働きをします。
起振力は、偏心モーメント量に比例し、角振動数の自乗に比例して大きくなります。式で表すと、次のようになります。
Po=(Kω2)×10-3
Po:バイブロが発生する起振力(kN)
K:偏心重錘のもっている偏心モーメント量(kg・m)
ω:角振動数(sec-1)
ω=2πN/60=2πf
π:円周率 π=3.14
N:振動数(cpm)
f:周波数(Hz)
垂直方向の力を取り出すには、起振機箱のなかで偏心重錘を取付けた2本の軸のそれぞれの中心軸O、O'を同調歯車でつないで、同位相で互いに逆回転させると、遠心力の水平成分はつねに打ち消され、両軸の垂直成分(鉛直分力)だけが残って合成されたひとつの合成垂直力となります。この合成された力が上下振動を継続させる起振力であり、その大きさは偏心重錘の水平面からの回転角をθとすれば、F=2f sinθ=2mrω2sinθ となり、mrは、ひとつの偏心重錘の質量と回転軸中心からの偏心の重心までの距離を表し、偏心重錘の偏心モーメント量の大きさを表します。
起振力は正弦的に変化し、上向き及び下向きともに最大値をもって上下振動力(調和振動)のみを発生します。