人体抵抗は、皮膚の抵抗と人体内部の抵抗に分けられ、皮膚の抵抗は印加電圧の大きさ、接触面の濡れ具合などによって変化し、印加電圧が1,000V以上になると皮膚が破壊して内
部組織だけの抵抗になります。人体内部の抵抗は印加電圧に関係なく、手-足間で300Ωです。
一般家庭で使用している100Vの電灯線に触れた場合、回路ができて人体に電流が流れるときの電流の大きさは次の通りです。
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手のひら:2,500 Ω
(濡れた手のひら:1,000Ω)
人体抵抗: 300 Ω
足と靴間:1,500 Ω
靴と地面: 700 Ω
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靴を履いていて、手のひらで電線に触れた場合の流れる電流の大きさは
I=E/R=100/2,500+300+1,500+700=100/5,000=0.02A=20mA
手のひらが濡れている場合には
I=E/R=100/1,000+300+1,500+700=100/3,500=0.029≒0.03=30mA
もし、靴を履いていず、濡れた手でまたは汗をかいた手で電線に触れた場合には、電流の大きさは30mAとなり、漏電ブレーカがあっても役に立たず死に至る場合があります。
さらに工事現場では、使用電圧が200V又は400V仕様もあります。